フォーマルでスタイリッシュな革靴を私服に取り入れたい、と願う方は多いです。
革靴と私服を合わせたコーデはたくさんあります。
しかし、合わせにくい、ダサくなる、という意見もあり、迷われているのではないでしょうか。
結論としては、他のコーデと同じように、ケースバイケースです。
つまり、私服×革靴の境界線は選び方・センスにあると言って良いでしょう。
一概にダサいというわけではなく、着こなし方履きこなし方によってはダサくなる、という話です。
ここでは、どのような着こなし方なら革靴コーデが似合うのか、逆にどのようなコーデが失敗を招いてしまうのか、ていねいに解説していきます。
ファッション初心者の方は、特に必見。ぜひご覧ください。
そもそも私服に革靴はありなのか？
私服に革靴を取り入れるコーディネイトは、多くのファッション好きやスタイリストが推奨しているスタイルです。
定番と言って良いスタイリングの一つであり、決して「おかしい」わけではありません。
多くの人がスニーカーやシューズを選ぶなか、あえて革靴を合わせることで、個性や抜け感の演出もできるでしょう。
アナタが本稿に目を通しているように、革靴×私服スタイルは、初心者から上級者まで幅広い層が興味を持っています。
まずは革靴の選び方や種類をご説明していきます。
種類で変わる、革靴の印象
革靴と聞くとテカテカと輝く人工革に覆われたドレスシューズを思い浮かべる方は多いです。
ドレスシューズの不自然なテカりはフォーマル色丸出し。
しかも爪先がツンツン尖ったり、上向いたりと自己主張が強すぎます。
お世辞にも、カジュアルで自然な恰好とは言えませんよね。
ですが、革靴はこのようなビジネス臭の強い靴ばかりではありません。
ローファーやブーツ、ダービーシューズに加えて革スニーカーなど、カジュアルで使用しても違和感のないものも多くあります。
さらにデザインや作りはそれぞれで、私服とピッタリ合う靴があれば、そうでない靴も。
それぞれの特徴をしっかりと見極め、私服に合う革靴、そうでない革靴を判断することが大切です。
ファッション誌やオンラインのスナップには、Tシャツ×デニムのシンプルなコーディネートにスエードのローファーを合わせたスタイルがよくあります。
彼らのシューズや傾向を把握するのも良さそうですよね。
使うほど味が出る、こなれ感
革靴の魅力のひとつに、履き込むほどに味が出る、革の良さがあります。
もともとは個性に乏しい革靴も、繰り返し履き、磨き、手入れするうちに、段々とツヤや個性が出てきます。
とくに本革性の靴は、履き込むほど価値が増す、と言われるほど大きな変化を魅せることで有名ですよね。
言い換えるなら、履けば履くほどアナタの雰囲気に近づく靴、と言えばよいでしょうか。
さりげないオシャレさをよく「こなれ感」と評しますが、革靴に限っては履き込むほどに靴の方がアナタに近づく、パートナーのような存在感を発揮します。
つまり、長年履き込んだ革靴は、自然とアナタのコーデに馴染みます。
ダサコーデの代表格、「パキパキ感（極端な色の差）」、「ムリした感（おろしたて、慣れていない感じ）」が気になる方にもピッタリですよ。
私服に革靴＝ダサいと思われる理由とは？
「私服に革靴はダサい」という固定観念は根強いです。
ファッションに詳しくない方も、ビジネス用の革靴に私服を合わせたりはしませんよね。
私服にビジネス用の革靴を合わせるやり方は、あまり馴染まない方法です。
では、どうして「私服に革靴はアリ」なのか。
これには主に「思い込み」、「バランスの悪さ」、「ビジネス用デザイン」の3つの理由によるものです。
順番にご説明していきましょう。
革靴＝ビジネスシューズだと思っている
革靴＝ビジネスシューズではありません。
フォーマルな靴がだいたい革靴だから、革靴＝ビジネスシューズという認識を持つ方は多いです。
しかし、実際の革靴には、例えば女性用のロングのレースアップ・ブーツなどに見られるように、カジュアル寄りの製品も多くあります。
もちろん、男性用の革靴にも、ワークブーツやチャッカブーツ、ローファーなど、カジュアルユースにぴったりなものが多くあります。
これらはデニムやカーゴパンツ、あるいはチノパンなどのカジュアルボトムスとの相性が良く、日常的なコーディネートに自然と溶け込みやすいです。
ファッション誌やオンラインのスタイルブックなどでも、カジュアル用の革靴を使ったコーディネート例が豊富に紹介されています。
つまり「革靴なら全部がビジネスシーン向け」ではないという認識が大切ということですね。
革靴を私服に取り入れるなら、まずはここに気付き、視野を広げることが大切です。
自分の好みやよく着る服装に合った組み合わせをぜひ参考にしてみてください。
靴以外の服装とのバランスが悪い
革靴コーデで「なんかダサい…」と思われる一番の原因は、全体のバランスが取れていないことです。
特にありがちなのが、スポーティーなトップスやカジュアルすぎる服装に、ビジネス寄りの革靴を合わせてしまうケース。
足元だけがやたらフォーマルで、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。
ファッションの基本は「統一感」。
トップス・ボトムス・シューズのテイストが近いほど、まとまりが出て違和感が減ります。
人は違和感を本能的に察知します。
たとえば、真っ白な紙に黒い点があると、どうしてもそこに目が行くように、一部だけが浮いているコーディネートは目立ちやすいのです。
つまり、「革靴＝NG」ではなく、「バランスが悪いから違和感がある」ことが“ダサさ”の原因。
革靴に合わせて、全体の雰囲気も少し落ち着かせると、グッと洗練された印象になります。
「革靴だから合わない」ではなく「違和感があるから合わせない」というスタンスを取ることで、ファッションバランスはずっと良くなります。
履いている革靴がビジネスっぽ過ぎる
革靴を私服に取り入れる際、多くの方が陥る落とし穴が「ビジネス寄りの革靴」を選んでしまうことです。
これまで述べてきましたように「私服に革靴はダサくない」です。
しかし「カジュアルやスポーティーな服にビジネスシューズはダサい」です。
ビジネス用の革靴は、たいてい先端のシルエットがシャープだったり、強い光沢を放っていますしています。
現代社会にビジネスパーソンに求められる、スマートさ清潔さ、フォーマルさを表現するための加工だからです。
言い換えると「明らかに人工的なカッチリ感」を演出するために作られています。
こうした要素を、ナチュラルさ、こなれ感が大切なプライベートファッションに持ち込むと、違和感しかないのはわかりますよね。
自宅で社訓を唱和したり、お辞儀の角度を気にする方はほとんどいないのと同様に、自宅で人工的なカッチリ感を抱え生活する方もほとんどいません。
半袖半パンに、先端が尖りツヤツヤテカったポインテッドトゥシューズを想像してください。
とてもじゃないですが、合わないですよね。
私服用の革靴を選ぶときは、カジュアルっぽさ、ナチュラル感のある革靴を選ぶと良いでしょう。
私服に合わせやすい革靴は？
私服に合わせにくい革靴は「フォーマル過ぎる革靴」です。
ビジネス用革靴の代表格、ストレートチップやロングノーズタイプのシューズはフォーマル色が強すぎて私服コーデとしては非常に難易度が高いです。
また、不自然にテカった人工革の革靴も、私服と合わせるにはかなり難易度が高いシューズと言えるでしょう。
逆に「合わせやすい革靴」として検討したいのが、ローファーやブーツ、ダービーシューズです。
これらはいずれも、デザインやシルエット的に自然なものが多く、カジュアル的な要素を多く取り入れている革靴です。
デニムやチノパンなどの普段着と組み合わせても自然に溶け込み、むしろ洗練された雰囲気を演出してくれるでしょう。
ローファー
ローファーとは、紐がなくスリッポンのような見た目をした革靴です。
メンズ・レディース双方にありますが、特にメンズは甲高で分厚く、ソールが高いものが多いところが特徴です。
もともと、アメリカの学生が着用していたことから名づけられたカジュアル要素の強い靴であるため、私服コーデに取り入れやすい革靴です。
ローファーの魅力は、紐がなくスマートなフォルムです。
足元に無駄な主張が生まれにくく、さりげなく大人っぽさや上品さを醸し出せるため、さまざまなファッションとマッチするオールラウンダーとして活用できます。
また、静かで落ち着いた印象を持つ靴であるため、ジーンズやチノパンのようなカジュアルなボトムスに合わせることで、オトナな印象も演出できます。
さらに金具が付属したビットローファーやタッセル付きのローファーなどバリエーションも幅広く、履きこなすことで容易にこなれ感を表現できるところも魅力のひとつ。
本革やスエード、黒やブラウンといった具合に、素材・カラーの幅も広いです。
カジュアルファッションとの相性はかなり高く、こうした細部の遊び心がローファーならではのスタイリング術として人気です。
ブーツ
ブーツは革靴の中でも特にカジュアルシューズとしての人気が高いアイテムです。
秋冬系の定番といっても良いでしょう。
シンプルなくるぶし丈で履きやすいチャッカブーツを筆頭に、やや長めのデザインが人気のサイドゴアブーツ、重厚さがウリのワークブーツなど、バリエーションも豊富です。
カジュアル寄りとしては光沢を抑えたスエード素材のものに人気です。
各ブランドは毎年多数の新作ブーツを発表していますので、他人をかぶりにくく、個性を表現できるのも魅力のひとつ。
デニムやカーゴパンツなどのカジュアルウェアと非常に相性が良く、大人の男性らしい力強さをコーディネートに加えることができます。
特に秋冬シーズンはニットやアウターで上半身にボリュームが出やすいため、ブーツを合わせることでバランスを取るというテクニックが使われます。
こうした点から、ブーツは私服に革靴を合わせる入門編としても、おしゃれをさらに極めたい人にもおすすめのチョイスです。
ダービーシューズ
ダービーシューズ（外羽根式のプレーントゥやUチップなどを含む）は、カジュアル寄りなのにビジネスシーンでも違和感がない、いいとこどりを狙ったシューズです。
特徴は、結び目が外に広がる外羽根式のデザインと、丸みを帯びた自然な造形の爪先です。
一見するとビジネスシーンに用いられる革靴と似ているものの、上記に見られる随所の工夫がカジュアル寄りのファッションにも良い影響を与えています。
つまり、ダービーシューズの魅力は、ローファーよりもややフォーマル寄りなのに、スニーカーよりもきちんと感がある「ちょうどいい加減」です。
シャツとチノパンのシンプルなコーディネートに合わせるだけで、ほどよく上品な印象を作り出せる革靴は、他にあまりないでしょう。
ジーンズとの合わせ方次第で、落ち着いた大人のスタイルや軽快で若々しいスタイルなど、様々な印象効果を狙えます。
ファッション初心者から上級者まで幅広い層にとって頼れる一足と言えるでしょう。
私服に革靴を成功させる３つのルール
まとめますと、私服に革靴を合わせるときに注意すべきは、「革靴そのものの選び方」と「コーディネートのバランス」、そして「お手入れやメンテナンス」の3点です。
ここまでローファー、ブーツ、ダービーシューズのようにカジュアルに対応しやすい革靴を挙げてきましたが、実際にファッション初心者が取り入れるときにはいくつか守るべきポイントがあります。
実際にトライする前にこれら3点を押さえておけば、革靴を私服に取り入れる際の失敗を最小限に抑えられます。
カジュアルよりな革靴を選ぶ
私服に合わせる際は、カジュアル要素を持った革靴を選ぶのが鉄則です。
これまで触れてきたように、ダービーシューズやローファー、チャッカブーツ、サイドゴアブーツなどを選択すると良いでしょう。
また、ツヤの強いパテントレザーや硬いガラスレザーを避けることも重要です。
ややマットな質感やスエード、ヌバックなどを選ぶことで、カジュアルアイテムと合わせやすくなるはずです。
ソールの形状もチェックポイントのひとつです。
ドレスシューズ向けのレザーソールはフォーマル度が高く、コバ（靴の周囲部分）が狭めであるほどビジネスライクに見えます。
一方、ラバーソールややや厚めのソールを採用しているモデルなら、ほどよくカジュアル感が出て普段の服装に自然に馴染むでしょう。
定期的なメンテナンス
革靴は、手入れ次第で大きく印象が変わるアイテムです。
汚れていたり、傷だらけで放置されている革靴を履いていると、それだけで清潔感を損ない、どんなに服装を気にしていても台無しになってしまいます。
特に私服に革靴を合わせる場合は、スニーカーでは表現できない落ち着きや気品を狙えますから、ここをガンバらないのは勿体ないです。
言ってしまえば「手入れ不足によるヨレヨレの革靴」は逆効果以外の何物でもありません。
メンテナンスの基本は、靴ブラシとクリームです。
ブラシでホコリや汚れを落とし、クリームを塗って革に栄養とツヤを与えることで、時間とともにゆっくり育っていくでしょう。
それだけでなく、長く履けるように適切なケアを続けると、経年変化による味わい深さも楽しめます。
革靴をダサく見せないパンツ選び
パンツの選択も大切です。
フォーマルな革靴ほど足元が締まって見えるため、パンツがルーズだとアンバランスさが際立ちます。カジュアルよりのダービーシューズやローファーでも、です。
程よいスリムフィットやテーパードの効いたパンツを選び、靴の形状がわかる程度のシルエットを確保するとちょうど良い感じになるでしょう。
また、丈の長さもポイントです。
くるぶしが少し見えるくらいの丈にすると足元が軽快に見え、革靴を履いていても重苦しい印象になりにくいです。
長いものでも、裾を少しロールアップして足首を見せると、抜け感を演出できます。
スニーカーを合わせるときと同様、パンツと靴の境目を意識してすっきり見せると良いでしょう。
色合わせも大切で、極端に明るいカラーのボトムスだと革靴が浮いて見えることがあるため、最初は黒やネイビー、グレー、ベージュなどの定番色で慣れていくと失敗が少ないと考えられます。
まとめ
私服に革靴を合わせるのは、フォーマルさとカジュアルさを程よくミックスできる、魅力的なスタイリング方法です。
「革靴＝ダサい」と思われがちな原因は、選び方やコーデのバランスにあります。
特に初心者におすすめなのは、カジュアル要素のある革靴。
ローファー、チャッカブーツ、ダービーシューズなどは、普段着に自然となじみ、きれいめな印象をプラスしてくれます。
また、スニーカーと同じ感覚で合わせると浮いてしまうことも。
パンツの丈やシルエット、トップスとの相性を意識するだけで、グッと洗練された印象になりますよ。
革靴は手入れ次第で長く付き合える相棒にもなります。
ブラッシングやクリームケアを定期的に行えば、革の風合いやツヤが深まり、履くほどに「自分だけの一足」に育っていきます。
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ファッション初心者でも選びやすいラインナップが用意されているため、自分にぴったりの一足を見つけやすいでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
